下痢…
それは我々クローン病患者にとって切っても切れない関係。
そんな身近な下痢という症状ですが、健康だった人がある日を堺に下痢が続くという現象が起きた時にどうすれば良いのか。
2日、3日で治るような下痢であれば放っておいても問題ないでしょう。
でも何日も何ヶ月も続くような場合は、病気によってそれが引き起こされている可能性があります。
そういった症状を持つ病気って他にどんなものがあるのでしょうか?
下痢が続く病気として考えられる具体的な病気と言えば、食中毒、過敏性腸症候群(IBS)や潰瘍性大腸炎、クローン病といったIBD。
また歌手の絢香さんも患っていることで認知が広まったバセドウ病などがあります。
これらの病気には様々な特徴がありますので、下痢が続くな?おかしいな?と感じたら、それぞれどのような病気であるのかを解説していきたいと思いますので、当てはめてみて下さい。
食中毒
食あたりなどで細菌に感染したときや、小麦、魚介などによる食物アレルギー、薬(解熱鎮痛薬など)の影響で腸粘膜に障害を起こしたときなどは、腸管内の分泌液が過剰となり下痢を起こします。
激しい腹痛や発熱、嘔吐などを伴う下痢の場合,赤痢やコレラなどが原因となる細菌性のもの、腸炎ビブリオやサルモネラなどの食中毒が疑われます。早急に医師の診断を受けるようにしましょう。
食中毒が原因で下痢の場合は「嘔吐」が特徴的かなと思います。
IBSやIBDでも嘔吐という症状は無い事はありませんが、頻度としてはかなり少ないので何か食べた後に下痢や嘔吐を繰り返す場合は食中毒の可能性が高いです。
→食中毒のリスクと人間社会
過敏性腸症候群(IBS)
「IBS」(過敏性腸症候群)とは、下痢や便秘などの便通異常をともなう腹痛や腹部不快感が、慢性的にくり返される疾患のことで、現代のストレス社会では急増している病気のひとつです。
腸と脳には密接な関係があり、脳が不安やストレスを感じると、その信号が腸に伝わって影響を与えてしまい、腹痛や下痢を引き起こしてしまいます。
下痢が続く症状を筆頭に、腹痛、おならの回数が増える、下痢と便秘が交互に起こるなどします。
これらの症状の内、下痢に関しては数年前の新薬の登場により改善する人が増えています。
IBSの下痢に対しては「セロトニン*3受容体拮抗薬」という薬が出来ており、腸で作用するセロトニンの働きを抑え、腸の運動異常や痛みを感じやすい状態を改善する男性の下痢型IBSにおける治療が可能です。
下痢の原因がIBSかどうかを判断する一つの基準として、
- 通勤途中の電車でおなかが痛くなりトイレに駆け込む
- 通勤途中の車の中でおなかが痛くなる
- 通学途中に、おなかが痛くなる
- 試験の前におなかが痛くなり、集中できない
- 大事な会議の前におなかが痛くなる
- 旅行中、急におなかが痛くなり、トイレを探す
などに当てはまるようであれば、IBSの可能性が高いので近くのかかりつけ医に相談してみて下さい。
→過敏性腸症候群はここまで治る
潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)
潰瘍性大腸炎やクローン病は国により難病指定されていて、腸内において腫瘍などの炎症を起こす病気です。
潰瘍性大腸炎は大腸のみに炎症が起きることが特徴で、クローン病になると消化器官全体に炎症が起きる可能性があります。これが潰瘍性大腸炎とクローン病の大きな違いです。
若い世代に患う人が多く、下痢が続いたり、腹痛や血便などを症状として持ちます。
薬によって完治することは無いと言われていますが、食事制限や投薬で病状をコントロールすることが可能です。
潰瘍性大腸炎の特徴は
- 下痢が続く(数日以上)
- 体重が減る
- 腹痛
- 血便が出る
- 体がだるくなる
- 発熱する
といった症状がでます。
特に「血便」では便器が真っ赤になるくらいの出血をすることがあります。
また、「体重が減る」といった症状も一気に何キロも減る事があるので、異常だと気付くと思います。
お次はクローン病の特徴ですが、こちらも潰瘍性大腸炎とよく似た症状が出ます。
- 下痢が続く(数日以上)
- 腹痛
- 倦怠感
- 貧血
- 体重減少
- 痔瘻が出来る
私自身がクローン病を患っているので、特徴として一番感じられるのは、下痢の頻度が異常だということです。
再燃時には10分おきくらいに下痢が襲ってきます。
あと、体重減少も酷いときは10キロ以上痩せます。
倦怠感もかなり酷いです。
これらの症状を見ても通常の下痢とは全く違うので、もし当てはまるようならIBDの専門の病院で検査してもらってください!!
なぜならIBDは判断基準が(今は分からないけど昔は)難しく、普通の病院だと病気が見過ごされてしまう危険性があるからです。
私自身、クローン病と判明するまでに何件も病院を回りました。
しかも最初の診断は「急性胃腸炎」でした(笑)
また、潰瘍性大腸炎やクローン病の症状として上に上げた以外にも人によって様々な症状が出ますので、ここに書いた事以外の症状が出た場合も病院で検査して下さいね!
→クローン病・潰瘍性大腸炎と診断とれたらまっ先に読む本
バセドウ病
バセドウ病では血液の中に自分の甲状腺を攻撃する物質(自己抗体)ができ、そのために甲状腺が肥大し甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて、甲状腺機能亢進症になります。甲状腺機能亢進症は、バセドウ病が70~80%と最多です。バセドウ病以外は無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎など一過性の病気がほとんどです。
この病気は1000人に2~3人が発症すると言われ、特に若い女性に多く見られる病気だそうです。
主な病状としては、
- 神経質になる
- 疲れやすい
- 息切れ
- 異常に暑い・汗を異常にかく
- 甲状腺の両側腫大
- 下痢
- 食欲が異常にある
- 目が突出する
- まぶたの腫れ
- 複視(物が二重に見えたりする)
など、かなり様々な症状がみられます。
バセドウ病も、詳しい原因はまだ明確に分かってはおらず、命の危険性はないものの難病の一つとも言われています。
バセドウ病の場合は下痢よりも他の症状の方が目立つので、下痢以外の症状でおかしいと感じたら病院で検査を受けた方がいいと思います。
→バセドウ病 正しい治療がわかる本
下痢が続く場合
このように下痢が続く場合、様々な病気が隠れていることがあります。
一般的な症状だから平気だろうと思っていると、病状が進行してしまい治りが遅くなってしまいます。
そうなる前に、自分の症状をよく観察し少しでも変だなと思ったら病院へ行くようにしましょう!!!
下痢に悩まされている健常者の方の参考になれば幸いです。
ではまた!!!
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