長い文章を作っていたのに全部消し飛んだタイトルをもう一度書こうと思い、書き始めましたがどうしてもモチベーションが湧いてこないので、軽く書いて見ようと思います。
私はクローン病に罹患して約9年となりました。
その間、色んな症状が出ては苦しんできたわけですがその中でも「この症状だけはヤバイ」「この症状が出たらしのごの言わずに病院へ行かないといけない!」という2大症状についてお話ししたいと思います。
ヤバイ症状その1:イレウス時の腹痛
クローン病は小腸、大腸を中心に全消化器官で炎症が起きる病気です。特に小腸大腸に炎症が起きやすい為、なんども炎症を繰り返すうちに腸がひきつれて狭くなってしまう「狭窄」という状態になることがあります。
少しくらい狭くなった状態なら問題がないのですが、狭窄の隙間が数ミリ単位になってくるとある時その狭い部分に食べ物が詰まり、腸閉塞(イレウス)になってしまいます。
皆さんも普通の腹痛は経験していると思いますが、イレウスの腹痛はもう別次元です。マジで苦しいです。まず特徴は引いては押し寄せる「繰り返す痛み」です。しかも時間がたつほどに酷くなっていき、しまいには「嘔吐」します。この時の苦しみは味わった事ある人ならもう二度と経験したくない!と思うくらい辛い症状だと思いますので、もしクローン病にかかっていていつもと違う腹痛を感じたらすぐに病院へ行って見てもらってください。
我慢して治る場合もありますが、下手すると腸が破れて腹膜炎になりそこから敗血症を併発し、最悪死亡という最悪のシナリオもありますので、良い子は大人しく病院へ行きましょう。
一つ注意点としてはイレウス状態で病院へ行くと、ほぼほぼ入院になるので覚悟が必要です。あとイレウスがしばらく経っても改善しないと「イレウスチューブ」というホースみたいな太さのチューブを鼻から突っ込まれて地獄を見ることがありますのでそれも覚悟が必要です(笑)
ヤバイ症状その2:肛門周囲膿瘍と痔瘻
クローン病では高確率で肛門に何かしらの病変が出来ます。
その中でも最も厄介なのが、肛門周囲膿瘍と痔瘻です。だいたいこの2つはセットになっているので、肛門周囲膿瘍になった時点で8割くらい痔瘻になると思っておいたほうがいいと思います。
なぜこれがヤバイのか?まず肛門周囲膿瘍になると肛門がパンパンに腫れて寝れないくらいの激痛に襲われます。ですので必然的に座る行為が出来ないし、下手したら歩くのも辛いことがあります。また膿が溜まっているので、熱も出てくる為体もしんどくなります。
またこの肛門周囲膿瘍は、放っておくと膿が色んなところに蟻の巣のように伸びてしまい悪化する恐れがある為、すぐに切開した方がいいのです。
しかし!この切開がまた痛い!!!肛門に直接麻酔の注射をして膿を切開する為、超激痛です。私が今までで生きてきて一番痛かった注射がこの切開時の注射でした(笑)放っておいてもダメだし、処置しても痛いという最悪にして最強にヤバイ症状となっております。
さ・ら・に、無事切開を終えてもここからが本番です。肛門周囲膿瘍で開通した穴を処理しなくてはなりません。この穴から膿が出ている状態を痔瘻と呼びます。健常者であれば切開後この穴は自然に塞がることがありますが、クローン病患者はもれなく痔瘻になると思います(汗)この状態になるともう手術しか方法はありません。全てを諦めてオケツを切ってもらいましょう。もしくはシートンというゴムや紐を使って穴を縛って自然に切っていく手法になる事もありますがどちらにしても手術です。
このように肛門周囲膿瘍と痔瘻はマジでヤバイ症状です。
またこういうのを聞いたりすると「それは絶対嫌だ!」と我慢して病院へ行かない人がいます。でもその行為は「ゲスの極み」「愚の骨頂」であります。なぜなら肛門周囲膿瘍と痔瘻は自然には絶対に治らないし、本当に放っておくと炎症がひどくなり、最悪癌化する恐れもあるからです。私も痔瘻を患っていた時に先生から「痔瘻を我慢しすぎて癌になる人が多いから気をつけて」と死ぬほど釘を刺されましたので、我慢してるそこのあなた!いますぐ病院へ行ってオケツを切ってもらいましょう!
この2つの症状が出たら即病院へ
上記で説明した症状はどれも私が経験して、マジでこれはヤバイ!と思っている症状です。この他にもヤバイ症状はあると思いますが、とにかく「なんかいつもと違うな?」と思ったら悪化する前に大人しく病院へ行きましょうね。
ではまた。
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イレウスと痔瘻、これはクローン病の2大テーマですね。
少し前に、朝日新聞で「クローン病でも野球ができますか?」という記事がありましたが
医師の答えは「体調が良いならやっていいでしょう」というものでした。
クローン病患者ならさっと理解できますが、一般の人達はこのやり取り理解できないと思います。 「病気なのに安静にしなくていいの?」「体調が良いならできるってどういう事?」みたいな初歩的な質問がとんできそうです。
私自身も手術・イレウス・肛門周囲膿瘍・切開排膿・複雑痔瘻・シートン方全部経験してきましたが、最近はこの病気と社会生活の折り合いのつけ方がよくわかってきました。
人間の基本なんですが、食べて栄養をとる事が根本でとても大切なんですね。
夏の暑い時期でも、3~5食しっかり食べて標準体重+1~2でそこそこ筋持久力があれば猛暑の中でも毎日仕事ができます。これは先程のやりとりの体調が良いなら野球ができる状態に近いですね。 困難なのは、CRP0(ゼロ)寛解で且つ複雑痔瘻も完治かほぼ完治レベルにもっていかないと激しい運動や激務は厳しいと思います。 その2つが適わないと、「身体がだるくてお尻は痛い」が一日中続くことになって体力も精神も本当に尽き果ててしまいます。
その上で、栄養バランスを考慮しながら可能な限り食べられる物を食べて動く(働く)、そして疲れる、夜ぐっすり寝るを繰り返すことです。過酷な気候でも、段々と続ける事ができ10年近く活動は続けられています。個人差はもちろんありますが、NG食よりも睡眠不足や睡眠不定期が炎症性の痛みを誘発していると感じる事は多いです。
こういったことも、抗体医薬あっての話です。バイオ医薬品前の治療ではモデルケースのように悪化が年々続くので何度も気が滅入っていましたが抗体医薬使用後はCRP0近辺を維持できて、なんとかハードな事も少しづつこなせてきています。
若い患者さんには伝えたい内容です。
アロエさん
コメントありがとうございます!
ほんとおっしゃるように抗体製薬が出てからはかなり普通の社会生活を送れるようになりましたね。
これが無くなると想像するとゾッとします(汗)
抗体製剤+規則正しい生活(クローンに優しい食事・十分な睡眠)+エレンタールで私の場合、普通の生活が維持できています。
どれか一つかけるとすぐに体調悪くなるので、気をつけていきたいと思います。