クローン病の治療方法について色々考えてみた

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クローン病の治療方法について
お疲れさまです。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
私は相変わらずプライベートな時間がなかなか取れない毎日です(汗)
双子が小学校に行くまでの、あと3年くらいが踏ん張り時だと思っています(汗)
さて、そんな中ですが先週2年半前にこのブログで開催した「クローン病オフ会」で知り合った方から久しぶりに連絡を頂きました。
すると兵庫医大に入院している事が分かったので、お見舞いにいかせて頂く事にしました☆
久しぶりに会った彼は思っていたよりも元気そうで一安心。
しかし、ヒュミラをする事になったとの事で少し落ち込んでいました。
なぜなら以前はレミケードをしていたが、レミケードに対する抗体が出来てしまったので、ヒュミラは最終手段のつもりでいたとの事。
こんなに早くヒュミラデビューしてしまう事に今後、ヒュミラが効かなくなった時に治療法が無くなってしまうのでは?
という不安から落ち込んでいるという事でした。
分かるわ〜!!!
って事で、私たちクローン病患者には現在どんな治療法があるのか、自分なりに調べてみました。

クローン病の治療法

まず治療法と書きましたが、前提としてクローン病は現在のところ完全に「治す」という事ができない「国から難病指定されている疾患」であるという事で、
未だクローン病を完治させる治療法はありません。
その事についてJIMROが発表しているクローン病治療指針には以下のように書かれています。

未だクローン病を完治させる治療法はない。
治療の目的はクローン病の活動性をコントロールし、患者のQOLを高めることにある。
また、狭窄や瘻孔形成などの合併症は、患者QOLに影響するので、その治療や予防が重要である。
最近の治療法の進歩により内視鏡的寛解も期待できるようになってきた。
治療にあたっては患者にクローン病がどのような病気であるかをよく説明し、患者個々の社会的背景や環境を十分に考慮した上で、医師が治療法を選択し、エビデンスとともに患者に提示して話し合い決定する。
治療法の決定には、重症度が重要であるが、重症度は活動度、合併症、疾患パターン(炎症型、狭窄型、瘻孔型)と炎症度合いを加味して決定される。
さらに、寛解期であっても継続的に治療を行うことが重要である。
また、発症早期や再発早期に積極的に治療を行うことは重要と考えられている。
JIMRO 診断と治療 クローン病の治療指針(2015年3月改訂)

これを前提として今私たちが選べる治療は以下のように説明されています。

主な内科的治療法としては、栄養療法と薬物療法がある。
栄養療法は副作用が少ないという特徴があるが、一定量以上を継続するため患者の受容性が重要である。
薬物療法との併用も有用とされている。
薬物療法では、免疫抑制を伴うものが多いので、感染などの合併症などに注意して治療を行う。
なお、強い合併症(狭窄、膿瘍、瘻孔など)では外科治療の適応の検討が重要である。

このように内科的治療では、栄養療法と薬物療法があります。
ではそれぞれどんな内容かというと
▼栄養療法

  • 成分栄養剤(エレンタール)の摂取
  • 消化態栄養剤(ツインラインなど)の摂取
  • 半消化態栄養剤(ラコール、エンシュアルキッドなど)

▼薬物療法

  • 5-ASA製剤(ペンタサ・サラゾピリンなど)
  • ステロイド薬(プレドニゾロンなど)
  • 免疫抑制剤(イムラン・ロイケリンなど)
  • 抗TNFα抗体(レミケード・ヒュミラなど)
  • 抗生物質(フラジールやシプロキサンなど)

と結構色々な治療法がある事が分かります。
ただし、それぞれに色んなメリット、デメリットがありますし、なにより人によって合う、合わないがあります。
一番副作用の心配が少ないとされる栄養量法ですが、これも寛解を維持しようとすると1日の摂取カロリーの半分量以上に相当する成分栄養剤や消化態栄養剤の投与が望ましいとされており、エレンタールやその他の栄養剤を飲んだ事がある人は分かると思いますが、結構な量をのまないといけないのでどうしても持続する事が難しくなる人が出てきます。
継続は力なり!
まさに栄養量法の為にあるような言葉でございます(笑)
あと薬物療法ですがこちらも様々な治療法があります。
なかでも現在スタンダードなものといえば、やはりレミケードやヒュミラといった抗TNFα抗体を用いた治療法ではないでしょうか。
こちらの効き目はかなり強く以下のようなデータが出ています。

レミケードの使用により、下痢の回数が減少したり、腹痛の程度が軽減する等の効果が速やかに認められ、かつその効果が8~12週間程度持続することが報告されています。
さらに、腸にできた潰瘍などの病変を修復し、入院率や手術率を下げることも確認されています。
また、外瘻に対しても、高い閉鎖効果を示すことが知られています。
国内の臨床試験によると投与開始後10週間で66.7%、その後維持に対して使用した場合、30週後で約40%の方に効果が認められていますが、現在ではどのような患者さん効きにくいかが(たとえば狭窄や内瘻を形成している)以前に比べはっきりしてきているので、効果があると医師が判断して投与された場合は治療成績はもう少しよいと考えています。
東京医科歯科大学消化器内科HPより

とまぁ、効き目は良いという事ですがやはり副作用(たぶん皆、悪性リンパ腫)が心配だったり、効果が無いという人も出てきます。
上記の方法(栄養療法と薬物療法)を自分の症状と照らし合わせて、先生と相談して治療していく事になります。
ですので、こんな治療法があるんだという事を知っておいて欲しいと思います。
何も知らない状態だと、選択肢が限られているような気になってしまいますので、先生の言いなり?みたいな感じになる恐れがありますからね(汗)

クローン病の治療法パート2

クローン病の治療は以上で終わりと思いきや、まだ存在します。
それは

  • 顆粒球吸着療法(GCAP:ジーキャップ)(LCAP:エルキャップ)

といって血液の一部を体外へ連続的に取り出し、白血球の中の特に顆粒球・単球を選択的に除去する医療機器に通し、その後 血液を体内に戻す療法です。
※GCAP:ジーキャップはビーズによる顆粒球吸着療法で、LCAP:エルキャップはフィルターによる方法との事。
クローン病の治療では治療スケジュールは週一回、10回まで実施が可能との事です。

その他の治療法

さらにクローン病に限らずですが、民間療法と言われる治療法もあります。
それは

  • 鍼灸
  • 漢方
  • 爪もみ

などがあります。
その他の治療法もあるとは思いますが、私が調べられたのはこれくらいです。
いろんなサイトに情報がありますが、エビデンスとして数字がちゃんと載っているものが見つからなかったので、もしそういう情報があれば是非教えて欲しいと思います。
ちなみに漢方で「大建中湯」というお薬がありますが、こちらは日本薬理学雑誌に「漢方のCAMからの脱出:大建中湯を中心に」と題してクローン病の治療効果が見込めるという報告がされていますので試してみる価値はありそうです。
※私も一時服用していましたが、あまり効果が感じられずに途中で飲むの止めてしまいました(汗)
このようにクローン病には色んな治療の選択肢がある事が分かったと思います。
どれを選択するかはしっかり主治医と相談して、自分の意志で決めて欲しいと思います。
その為に色んな情報を知っておく事はとても重要だと思いました。

今後の自分の治療法

私は現在、レミケード倍量とエレンタール(1日1200kcal)でなんとか寛解?を維持?しております。
CRPが毎回0.5〜1の間なので、本当の意味で寛解になっているのかどうか怪しい所ではありますが、なんとか長期入院などはせずに済んでいます。(たまにイレウスで短期入院はしますが 笑)
私もレミケードが全く効かなくなった時にはどうするかな?
って考えてみましたが、私はエレンタールと顆粒球吸着療法を選択すると思います。
顆粒球吸着療法がダメなら私はエレンタールオンリーで食事の制限で様子を見るかなと思っています。
もちろん主治医ととことんまで相談して最後は決めますが、現在のところはこのように思っています。
使用しておいて言うのもなんですが、レミケードやヒュミラ、またイムランのように免疫を抑える薬はどうしても好きになれないんですよね(汗)
出来る事なら薬を入れたくないというのが本心です。
最後に、クローン病は一人一人症状も対処法も違ってくる病気です。
ですので、これしか無い!という治療法はないのだと思います。
様々な治療法を調べるのは重要ですが、結局は実際に試して自分に合っているかどうかが最重要だと思いますので、情報だけに捕われず自分に合った治療法を見つけ欲しいと思います。

そして医学の進歩により、一刻も早くクローン病の原因解明と根治を願い、この記事の締めとします。
ホンマ、はよ治ってほしーわー!!!
では、また☆

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コメント

  1. かず より:

    決定打が放てないのがクローン病や特定疾患のつらいところですね。
    日々医学の進歩はあると思いますが免疫疾患のみ立ち遅れていると感じるこのごろです。
    http://www7b.biglobe.ne.jp/~sky-clinic/ 漢方医というか民間療法というか・・・。その筋ではけっこうな有名どこみたいです。私はこういうのは敬遠してますが。
    個人的にはしばらく青汁(乳酸菌入り)を取り続けています。

  2. kengorou より:

    かずさん
    コメントありがとうございます☆
    おっしゃるように、色んな治療法はあるのにこれ!といったものがないのがこの病気のネックなところですね(汗)
    青汁は腸内環境を整えてくれるので、症状の改善に期待できそうですね☆

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