在宅4ヶ月目に突入しました。
先週から続くうっとおしい雨でも会社に行かずに仕事ができる事に心から感謝しているkengorouですw
さて、クローン病ではお尻に合併症が起きることが多々あります。
その最たるものが「肛門周囲膿瘍」と「痔瘻」でしょう。
これには私も数年間やなまされ続けてきた過去があります。
いっその事人工肛門にした方が楽なんじゃ無いかと思うくらい、辛い症状でした。
詳しくは痔瘻カテゴリーにまとめてありますので興味がある人はのぞいてみてください(笑)
そんな経験を経て私が感じていることはただ一つ、クローン病の肛門周囲膿瘍は放置せずにしっかり処置をしておく事が大事だと言う事です。
肛門周囲膿瘍と痔瘻の関係
痔瘻と肛門周囲膿瘍は別の病気ではありません。
肛門周囲膿瘍とは,肛門管内の小さな穴などから細菌が入って肛門・直腸周囲が化膿するものです(図1A, B).膿が自然に出たり,切開・排膿されると,後に膿の通り道が残ります.この管(くだ)やしこりになったものが痔瘻です
と、日本大腸肛門病学会のHPにあるように、肛門周囲膿瘍が発展した姿が痔瘻なのです。
普通の人であれば肛門周囲膿瘍になったあと、膿が溜まっている箇所が自壊したり、切開排膿した後は自然に治る場合があります。
しかし、我々クローン病の場合は高確率で痔瘻に発展します。なぜかと言うとクローン病の肛門周囲膿瘍の場合は通常の人が肛門周囲膿瘍になるプロセスと異なるからです。
普通の人の肛門周囲膿瘍は,肛門と腸の境目にある肛門陰窩という部分に開いている肛門腺に、下痢便などが入ってしまい化膿することによって発症しますが、クローン病の人の場合は直腸の潰瘍が原因でなる事があるのです。
潰瘍が出来ると言うことは炎症が起きている証拠です。この炎症はすぐに治るものでは無いため、いつまでも傷が治らずに痔瘻になると言う訳です。仮に肛門周囲膿瘍から膿が出て落ち着いたように見えても中の「瘻管」は治りきらずにそのままになっており、出口だけが塞がった状態になります。この状態だと再発しやすい上に、再度肛門周囲膿瘍になった時はその「瘻管」から新しい管ができて枝分かれしてしまい、複雑痔瘻へとバージョンアップする恐れもあります。
痔瘻は放置すればするほど治療が困難になり、放置しすぎると「痔瘻がん」まで発展してしまう事があります。痔ろう癌は一般の肛門癌に比べ、悪性度が高いと言われているので注意が必要です。
私は上記のことを過去の自分の体験と合わせて先生や患者さんから見たり聞いたりして「肛門周囲膿瘍は絶対放置してはならない」ことを教訓としております。
肛門周囲膿瘍や痔瘻を経験した方なら分かると思いますが、処置は痛いし苦痛なので、出来る事なら処置せずにそっとしておきたくなります。もしくは薬でよくならないかなぁと願いたくなります(笑)
でもひどくなってから「あの時に処置しておけば…」って悔やむより、多少の苦痛と引き換えに治療しておけばその後の再発のリスクも減らせますし、痔瘻がんの原因も取り除く事ができます。
もし今お尻のことで悩んでいるのであれば、すぐに専門医に見てもらってください。可能であればクローン病の事も知っている肛門の専門医が望ましいです。
皆様のオケツに幸あれ!
ではまた!
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クローン病患者から痔瘻がん患者にグレードアップした忍です(笑)。
自分はkengorouさんほど痔瘻はひどくなく(手術は一回だけ)、
ひどくなかったことが
「まあ、こんなものでショ?」「レミケやったらすぐよくなるし」と
レミケードの効能に甘えていたところでの大どんでん返しになりました。
なので、軽くても放置厳禁というのは仰る通りだと思います。
再発に怯えつつも永久人工肛門になったことで
尻の痛みと永遠にグッバイできるのはまあいいんですけど、
生物製剤はガンになると使えないので、
クローン病のコントロールがちょっと難しくなるかもしれません。
そういう意味でも痔瘻がんはちょいと性質が悪いかな、と思います。
忍さん
コメントありがとうございます。
なるほどガンになるとヒュミラやレミケードといった生物製剤が使えなくなるんですね…。
知りませんでした。
そんな状態で寛解を維持しておられるのはスゴイですね!!
私もいつヒュミラが効かなくなるのか分からないので、この病気とは慎重に付き合っていこうと思います(汗)