4月12日小腸切除手術の翌日に起こった麻酔副作用事件

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術後7日目を迎えたENJOY IBD管理人のkengorouです。
日にち薬とはよく言ったもので、本当に1日1日体が回復していくのが分かります。

また、一昨日からエレンタールが開始となりまずは1パックを倍の量で割ったものから始め、本日からは通常の濃さで服用を開始しています。

エレンタールが開始になったのでプリンやゼリーならオッケーなのでは??と勝手に思っている次第です(笑)しかし勝手に食べて退院が遅くなったらバカらしいので、大人しくしておこうかなと思います。

それでは今回の入院の中で一番衝撃的だった「麻酔の副作用」について書いていきたいと思います。

前回の記事からの続きとなりますので初めてご覧になる方は下記の記事をお読みください。

またこの記事は5000文字を越す長文になっていますのでご了承ください(笑)

甘く見ていた歩行訓練

集中治療室で一睡もしないまま通常の病室に戻り、ゆっくり寝れると思いベットに横になりましたが、全く寝れません。そのうち看護師さんが来られ

「しんどくなければ早速歩行訓練をしようと思うのですがどうですか?」

と聞いてこられました。
まぁ眠たくないし、割と元気だと思っていたので

「やりまぁす!」

と調子に乗って歩行訓練を開始しました。
まずは血圧を測定し、異常がないことを確認。大丈夫そうだと判断され看護師さんと一緒に病棟内を歩き始めました。痛みも麻酔のおかげで全くなかったので「フッ、余裕だな」と思っていたのですが、終盤にさし掛かると急激に気持ち悪さが込み上げて来ました(汗)

(あっ、ヤベェ。吐くわ。これ。)

と思いトイレへダッシュ!!
何も食べていないので何も出ませんでしたが、えずく事数回…。
ようやく吐き気は治りましたが、立ち上がれませんでした(泣)
車椅子で病室まで運ばれ、そこでも数回えずいてしまいました…。

この時の血圧を測定したら過去最低になっていました。
5分ほどベットで休むと顔色もよくなり、血圧も安定してきたため夕方もう一度トライすることとなりました。

異常な思考回路になる

エライ目にあったなぁ(汗)と思いつつもこれでようやく寝れると思いベットに横になるも、なぜか寝れません。

「おかしいな?眠たい感覚はあるのに寝れないぞ」

と自分でも不思議な感覚に包まれながら考えていました。
寝れない原因を考えていると、そのうち急に自分の呼吸が気になってきて、

「あれ?俺の呼吸、異様に短くないか?そう言えばすごく息がしずらいぞ?」

と疑問に思い始めました。実際は深呼吸しているのにも関わらず、短くしか呼吸できない感覚に襲われていたのです。「呼吸がおかしい!」と思い始めると、次ぎは

「そういえば、お腹も張っている気がする。」

と自分の腸の中のガスが気になってきました。
すると次は

「短く呼吸しているせいで、空気をお腹に入れてしまっているからお腹が張っているのではないか?
そしてお腹が張っているから呼吸がしずらいのではないか?
そう言えばガスも出ていないぞ…!ヤバイ!このままじゃヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!!

と急に不安と焦りが押し寄せてきたのです。
なぜ自分でもここまで考えているのか理解できませんでした。
しかし、さらに不安は増大し、妄想も酷くなっていきました。

「呼吸が苦しい!そう言えば集中治療室にいる時から異常に体が痒かったぞ?
体が痒い&呼吸が苦しい=これは何らかのアレルギーのショック症状じゃないのか??
ヤバイ!このままじゃショック症状で死ぬ!!何とか処置してもらわないと!
死ぬ!ヤバイ!死ぬ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!!

もうこの時は自分をコントロールできませんでした。
そしてナースコールを連打し、看護師さんに

「呼吸がヤバイです!早くきてください!」

と訴えていました。
そして看護師さんが来ると

「呼吸が苦しいんです。痒みも出ています。たぶんショック症状です。助けてください!」

と伝えました。後から知りましたが来てくれた看護師さんは新しい看護師さんだったようで「他の看護師さんを呼ぶのでとりあえず深呼吸してください」と私に言いました。しかし、私の頭はすでにパニック状態です。

「(この看護師さんじゃダメだ)ヤバイから早く!早く!ヤバイ!ヤバイ!」

と完全にパニックに陥り、思考回路が麻痺していました。
さらに過呼吸になっており手足が痺れてきていました。
その後先輩看護師さんが到着し、素早く血圧、酸素の状態を調べてくれ状態を把握。

「kengorouさ〜ん!大丈夫ですよ〜!深呼吸しましょー!」

と言って、素早くベットの位置を変えて頭が下に来るように態勢を整えてくれました。私も必死に深呼吸しますがなかなか元に戻りません。(ヤバイ!ヤバイ!死ぬ!!)と思いながら、どこかで死ぬ時ってこんな感じで死ぬのかな?って感じていました。

「kengorouさ〜ん!名前言えますかー?」

と言って意識の確認をしてくれましたが、もはや

「ヤバイです!」

という単語しか出てきませんでした。
意識が混濁していると判断したのか、次から次へと看護師さんがやってきては「酸素持ってきました!」とかその他色んな事言っていましたが、もはや理解できる状態ではありませんでした。たぶん6、7人病室に来てたと思います(汗)

私の状態を一通り見てくれた看護師さんは「一旦、ナースステーション横の処置室に移動しましょう」と言ってくれベットごと移動することになりました。

なかなか気を失ったりしなかったので、「まだ死なないのかな?」と、息苦しさはあったものの段々と冷静さを取り戻していきました。処置室に移動されたものの誰かがそばに居ないと不安でしょうがありません。看護師さんが「戻っても大丈夫?」と聞いてくれましたが「すいません。不安です。」と、いい年こいたおっさんが、すがるように行かないでくれと懇願するという、世にも奇妙な物語が繰り広げられて居ました。

しばらくして医師が来てくれ、お腹の状態を見てくれましたが大丈夫とのことで待機してくれていた看護師さんもナースコールを私に渡してその場を離れていきました。
その後も息苦しさは取れず、お腹の張りもはち切れんばかりの感覚でした。

「なんでだろう?なんでこんなに苦しいんだろう?何か問題があるはずだ!」

と、苦しさの解決方法を考えてばかりになり、ついには

「お腹が苦しいのは尿管からオシッコがうまく出ていなくて膀胱に尿が溜まっているからでは?」

と考えが明後日の方向に飛んでいき尿管を引き抜こうとしました(汗)
しかし、これが全然取れない(笑)あまりに取れないもんだから、押してだめなら引いてみろって事で次は押し込もうとします(笑)でも取れない!!尿管と格闘する事数分。これは無理だと諦めて一旦止めることにしました。

※これは後から知った話ですが、尿管を勝手にいじると膀胱を突き破ったり尿道を傷つけてしまったりして、膀胱炎や尿道炎、最悪の場合敗血症に至ったりするので絶対に自分で動かしてはいけないそうです。危うく違う意味で死ぬところでした。やる人はいないと思いますが、尿管をいじるのは絶対にやめましょう!!(笑)

異常行動は治らない

あれやこれや試してみるも息苦しさとお腹の張りは消えません。そして何かをしていないと不安が押し寄せて来るため常に動き回っておりました。

そのうち、動いてさえいればなんとか不安から逃れられるという事を認識した私は病棟内をグルグルと歩き始めました。歩いている間は異常な程に喉が乾くため、常にうがいをしながら歩いていました。そして歩いているうちに

「ひょっとしたらこの硬膜外麻酔が原因じゃ無いだろうか?」

と疑い始めたのです。看護師さんを呼び、麻酔を切ってほしい旨を伝えると「切っても良いが凄い痛みが襲って来るよ」と言われました。一瞬ビビりましたが、こっちは息苦しさと不安感に押しつぶされそうになっていたので

「いいから切って欲しい。で、切ったら何時間で麻酔が抜けるのか教えて欲しい」

と聞いていました。看護師さんは「2〜3時間くらいかなぁ?」との事だったのでiPhoneのストップウォッチを起動させ早速時間を測りました。麻酔を切ってもらい時間がくるまで息苦しさと不安感と戦いながらひたすら歩き続けました。

奇跡が起こり地獄が到来

硬膜外麻酔を切り2時間歩き続けたところ、不安感や息苦しさがなくなっていくのがわかりました!!
看護師さんに状況を報告すると

「確かにこの麻酔でソワソワ感が出る人がいる。頻度は多くもないけど少なくもない。kengorouさんのいう通りおそらく麻酔が原因だったんだね。」

と言っていました。その可能性知ってったんなら、最初っから切ってくれや!!!(怒)
と、一瞬思いましたが、息苦しさと不安感が無くなった事が嬉しすぎて怒りはすぐに治りました(笑)

「やった!やっぱりこれが原因だったんだ!」

と喜んでいましたが、それもつかの間の喜びでした…。
そうです。看護師さんが言っていた傷の痛みが徐々に大きくなってきたのです(汗)

「あぁ、痛くなってきたなぁ。」

「んー、痛いなぁ。」

「痛い。」

「あれ?痛い!」

「痛いぞ!痛い!!いててててててぇぇぇぇ!

と猛烈な痛みがやってきました(泣)
もうねイレウスもたいがい痛いけど、あれは波があるのに対して、今回の麻酔を切った痛みって

常に痛いんですよ。

速攻でナースコールで痛み止めを頼み、ロピオンを打ってもらうも1ミリも効きません(汗)また痛み止めは一回使うと連続では使用できず、6時間開ける必要があるとのこと。もうね

また死ぬかと思ったwww

その後は一歩も動けず、ベッドでひたすら悶え苦しんでいました。さらに尿管をいじくった代償か、膀胱も痛いという状態でした。まさに天国から地獄。地獄の灼熱釜に入れられているような感じでした(泣)

傷の痛みを我慢していると、冷や汗は出てくるわ、痛いを通り越して熱した棒を押し当てられているような感覚になっていきました。この時点で夜の20時頃だったと記憶しています。

半分気を失う

次の痛み止め(ロピオン)が使える時間は23時でした。
しかしそれまでこの痛みに耐えれる自信がありません。

ちょうど検温で回ってきた看護師さんに今の状況を報告したところ「別の痛み止めもありますからそれを打ちましょう」と21時にアセリオという痛み止めを打ってもらいました。が、まさに焼け石に水。全く効きませんでした(笑)そしてこの痛み止めも6時間置きにしか投与できず、次のロピオンの投与時間である23時まで我慢しなければいけませんでした。

もう痛みを何かで誤魔化すしかない!と思ってiPhoneでPodcastを聞いてみることに。しかし

痛すぎて内容1ミリも入ってこねー(泣)

ということでPodcastは却下。代わりにラジオのFM802で音楽を聞こうとするもなぜか悲しい曲ばかり流れます(笑)

こんなもん余計に辛くなるわ(泣)

てことで却下です。
あとはTwitterのタイムラインをひたすら見ていました。この痛い気持ちを残しておこうと

こんな事を呟いていました。
文字では全く伝わらないのが残念ですwww

そんなこんなでようやく22時を過ぎ、あと1時間の辛抱だ!と思っていましたがその辺りが痛みのピークだったようで我慢ができず、ナースコールしてロピオンを前倒しで打ってもらいました。ついでに眠剤とデパスも持ってきてもらい。無理やり寝てしまう作戦に出ました。なんせこの時点で術後27時間起き続けており、体力も限界でした(汗)

そして次の痛み止め(ロピオン)は4時半だなぁ。それまで耐えなければ…と考えていたらいつの間にか気を失っていました(笑)気がついたらピッタリ朝の4時半でした!速攻でナースコールし痛み止めを追加。その後も朝7時頃まで寝付く事ができました。

朝起きると不思議なことにあの超激痛が楽になっていました。
痛み止めの効果もあったと思いますが(それでも普通に痛かったけど)全然耐えれる痛みになっていました。体の回復力ってすごいなって本当に感動しました。

今回の経験を教訓にする

ここまでが今回体験した硬膜外麻酔の副作用による超恐ろしい内容です。

文字では中々伝わらないかも知れませんが、まさか2回も死にそうになるとは思いませんでした(笑)

後々知ったことですが、硬膜外麻酔で使用されているのは麻薬の一種だそうです。麻薬といっても医療用麻薬なので「術後痛で使用される程度の量では心配ない」との事ですが、私のように副作用で

  • 「感覚が研ぎ澄まされ過ぎて物事に敏感に反応する(ソワソワする)」
  • 「異様に体が痒くなる」

ことが稀にあるので注意が必要です。

これも後で気がついたのですが、集中治療室で周りの気配で寝れなかったのも副作用で感覚が研ぎ澄まされていたからなんでしょう。

前の記事でも触れましたが、この集中治療室にいる時に次から次へとブログのネタが浮かんできてiPhoneのメモに大量にアイディアを書き残せたのも、将棋ウォーズで強豪相手にも先の手が読めて勝てたのも、麻酔の副作用だったんだなと感じました。本当にいま考えてもすごい集中力でした。

しかし「麻薬って怖いな」とも感じました。

よくアーティストが麻薬で捕まるニュースで見ますが、そういう人は麻薬や覚醒剤を使うことで脳が活性化され感覚が研ぎ澄まされることを知っているんでしょう。通常の何倍もの集中力や想像力が出てくるので止められなくなるんでしょうね。

手術は2度とゴメンなので、次を考えたくはないのですが、硬膜外麻酔でこのような事が起こる可能性があるということを覚えておこうと思います。

あー、これでようやく手術日と1日目のレポートが完成です(汗)
ここまで長い文章書いたの初めてかも知れません。まさに入院中だからできる事ですね(笑)

もう2日目からは駆け足でレポート書いていくのでよろしくお願いいたします。

では!

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コメント

  1. sin より:

    手術、お疲れ様でした&麻酔の副作用、大変でしたね。
    でも、手術自体はうまくいったようで、その点は良かったですね。
    私も15年前の手術で硬膜外麻酔を背中から入れる時、3回も失敗されました。が、術後、特に副作用もなく、確か数日(3,4日)で麻酔の管を外した気がします。尿道管のほうが長く付けられていたような。
    1日も早く退院できることを祈っております。

    1. kengorou より:

      sinさん

      コメントありがとうございます!
      副作用大変でした(汗)手術自体は成功でよかったです(笑)
      背中の麻酔3回も失敗って恐ろしい体験されましたね(汗)
      早く退院できるよう頑張ります!!

  2. ドン より:

    大変だったね。
    歩いてると思うけど、とにかく歩きましょう。
    今、人生で一番大事なことは歩くことだね。

    そういえば自分も手術日の夜はほとんど寝てなかったな。
    というか寝てないな。
    うん、目がランランだったかも。
    看護師が山下達郎事件を引き起こしてから余計に寝れんかったんだ、そうだそうだ。
    後で自分の手術記を読んでみよう(笑)。
    最初に立ち上がったときは吐き気で車椅子で病室帰還。
    すげぇ悔しかったのを覚えてるよ。
    歩くこと自体は全然大丈夫だったのにね、硬膜外麻酔のおかげで(笑)。

    1. kengorou より:

      ドンさん

      コメントありがとうございます!
      めっちゃ歩いてますよ!ドンさんの前回の手術記事も参考にしています(笑)
      ドンさんのような屈強な方でも吐き気出るんですね。
      逆に安心しましたよw
      早く退院できるように頑張ります!

  3. アロエ より:

    クローン病は長い経過の病気だけあって、色々と想定外なことがおこってしまいますね。。。
    なんとかなる時も、なんともならないなーと思いながらも自分の中で折り合いがついてきて気持ちの上でなんとかなったり。
    ブログで心情を綴って頂けるのは、多くの同病者にとって励みになります。
    狭窄がなくて、安定した病状がなく以前より良くなって人生を送っていけることを願ってます !

    1. kengorou より:

      アロエさん

      コメントありがとうございます!
      そんなに役立つこと書いていないのでそう言って頂けると嬉しいです!
      頑張って退院目指します!!

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