先日お伝えした速報の『腸における炎症を抑える新しいメカニズムを発見-炎症性腸疾患の新たな治療法開発に期待-』の記事を紹介致しました。
思いのほか反響がありまして、皆様方に少しは情報提供出来たかなと感じております☆
[ 記事紹介:【速報】腸における炎症を抑える新しいメカニズムを発見-炎症性腸疾患の新たな治療法開発に期待- [2011/02/09] ]
さて、その記事に「たす9」さんからコメントで
非ステロイド性抗炎症薬(痛み止め、解熱薬)を飲んではいけない。ということですね。
と書かれてありました。
確かに速報の記事には
PGE2の産生を抑制する非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)注7)の一種インドメタシンを投与したところ、致死的な、極めて重篤な腸炎を発症しました
との一文があります。
これ非常に気になりませんか?
薬物によって腸の炎症って悪化するものだとすれば、今まで風邪薬として飲んできた物や痛み止めとして飲んできた薬の中には実はクローン病に良ろしくない物があったのではないでしょうか!?
というのも、非ステロイド系抗炎症剤は幅広く色んなものに含まれているからです。
そう、例えば「ロキソニン」とか…!!
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
気になる非ステロイド性抗炎症薬ですが、これは「Non-Steroidal Anti-Inhlammatory Drugs
末梢(痛みの発生部位)に発生した炎症を抑えたり、中枢(脳の視床下部)に働いて熱を下げる作用のある薬です」と定義されているようです。
そしてこの非ステロイド性抗炎症薬は非常に沢山の種類があります。
例えば成分がプロピオン酸、ロキソプロフェンナトリウムに分類されるのが有名な「ロキソニン」です。
同じプロピオン酸で、プラノプロフェンに分類されるのが「ニフラン」です。
また、アリール酢酸、ジクロフェナクナトリウムに分類されるのがこれまた有名な「ボルタレン」です。
痔瘻の手術をした方なら知っているかと思われます(笑)
この他にも紹介しきれないほど沢山の薬があり、非ステロイド性抗炎症薬といってもこれだけの種類があるのです。
[ 参照記事:http://www.naoru.com/syouenntintuuyaku.html ]
インドメタシン
さて、ここで先日お伝えした速報の『腸における炎症を抑える新しいメカニズムを発見-炎症性腸疾患の新たな治療法開発に期待-』の記事にあった
PGE2の産生を抑制する非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)注7)の一種インドメタシンを投与したところ、致死的な、極めて重篤な腸炎を発症しました
こちらの部分に記載されている「インドメタシン」ですが、先ほどの分類でいうとアリール酢酸 、インドメタシンに分類されます。
という事は、同じ非ステロイド性抗炎症薬ではありますが分類的には「ロキソニン」や「ボルタレン」とは異なってきます。
ですので、このことから一概に
「非ステロイド性抗炎症薬を飲んではいけない」
とは言えないと思われます。
が、しかし…
ロキソニン
ロキソニンは以前までは医師に処方してもらわないともらえなかったのですが、2011年1月21日よりロキソプロフェンを含有した解熱鎮痛薬「ロキソニンS」(第1類医薬品)として薬局で購入出来るようになりました。
んで「ロキソニンS」のサイトが出来てたんで、それを見ているとなんと「次の人は服用前に医師、歯科医師又は薬剤師に相談して下さい」と言う宇部分にこう書かれてありました。
- 医師又は歯科医師の治療を受けている人
- 妊婦又は妊娠していると思われる人
- 授乳中の人
- 高齢者
- 本人又は家族がアレルギー体質の人
- 薬によりアレルギー症状を起こしたことがある人
- 次の診断を受けた人
気管支ぜんそく、潰瘍性大腸炎、クローン病、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病 - 次の病気にかかったことがある人
胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病、血液の病気
[ 参照記事:使用上の注意|ロキソニンS|第一三共ヘルスケア ]
えー!クローン病の人って普通に飲んではいけないのか!?
これはやはり、非ステロイド系抗炎症剤をむやみに飲んではいけないと言う事なのでしょうか?
さらにgooのヘルスケアにはロキソニンについて、「重大な副作用」の一般的注意の欄で次のように記載されています。
慎重に服用すべき場合……消化性潰瘍の前歴/血液異常またはその前歴/肝機能障害・腎機能障害またはその前歴/心機能異常/アレルギーの前歴/気管支ぜんそく/高齢者
[プラノプロフェンのみ]出血傾向/高血圧症/SLE(全身性エリテマトーデス),潰瘍性大腸炎,クローン病
また、その他副作用の「重大な副作用」には
重い消化性潰瘍または小腸,大腸からの吐血,下血,血便などの消化管出血が現れ,それに伴うショックがおこることがあります
[ 参照記事:ロキソニン 薬検索 – goo ヘルスケア ]
との一文が…!消化性潰瘍ってもちろんクローン病も入るよね??
この事からクローン病を患っている人は、非ステロイド性抗炎症薬をむやみに飲んではいけないと言うが言えるのもしれません(汗)
…でも私クローン病を診てもらっている主治医からお腹痛くなったときのために「ロキソニン」を処方してもらったんですが…これって大丈夫って事なんでしょうか?どうなんでしょうか??
正直、私は医者でもなんでもありませんので何が正しいのか全く判断できません(汗)
だれかここらへんの詳しい知識をお持ちの方がいれば是非教えて下さ~い!
▼ちなみにバファリンも非ステロイド性抗炎症薬です(汗)
早く溶けて胃にやさしいバファリンA 80錠【第(2)類医薬品】【pointup_0201】 |
→クローン病ってこんな病気
→潰瘍性大腸炎・クローン病の人の食事
→クロ-ン病患者が本当にききたいこと
----------------------------------------------------------------------–
(2月14日の食事と体重)
【 朝の食事 】エレンタール = 300kcal(脂質0g)
【 昼の食事 】会社の弁当 = 300kcal(脂質5g)
【 間食 】エレンタール = 300kcal(脂質0g)
【 夜の食事 】ご飯,鍋 = 600kcal(脂質15g)
【 総摂取カロリー 】1500kcal(脂質20g)
【 体重(朝計測時)】52.3kg
【 体重(夜計測時)】52.8kg
【 腹痛 】なし
【 肛門痛 】なし
【 便の回数 】朝普通便
【 出血 】なし
【 体温 】午前:36.4度 午後:測定なし
----------------------------------------------------------------------–
関連記事
▼ENJOY IDB管理人が暇つぶしに作った動物サイトもよかったらご覧ください。
クローン病ブログ
その他のクローン病ブログはこちらから読めます。↓ツイッターのフォローはこちら
Follow @kengorou
>PGE2(プロスタグランジンE2)の産生を抑制する非ステロイド系抗炎症剤
>(NSAID)注7)の一種インドメタシンを投与したところ、致死的な、
>極めて重篤な腸炎を発症しました
PGE2は細胞膜を構成しているアラキドン酸から作られているんです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%B2%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%BC
NSAIDはシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase;COX)と呼ばれる酵素の働きを抑えます。酵素の名前は酵素の特徴を表しています;cyclo=環化(輪を作る), Oxygenase=酸素を付加する酵素(おそらく)、を合体させた名前です。アラキドン酸に酸素を結合させて、輪をつくる酵素です。
アラキドン酸;
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%AD%E3%83%89%E3%83%B3%E9%85%B8
プロスタグランジン;
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
シクロオキシゲナーゼ;
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E6%80%A7%E6%8A%97%E7%82%8E%E7%97%87%E8%96%AC
インドメタシン、ロキソニン、ボルタレン(ジクロフェナク)などの全てのNSAIDの標的はシクロオキシゲナーゼです。
一方,アラキドン酸カスケードと呼ばれる炎症と炎症に対する保護の表裏一体な関係があります。
http://hobab.fc2web.com/sub2-arakidonnsannkasuke-do.htm
生体では、アラキドン酸からシクロオキシゲナーゼとリポキシゲナーゼの2つの酵素により,いろいろなものを産生しています。この二つの酵素のバランスが崩れると、出来上がる産物のバランスが崩れます。
極端な言い方すると、シクロオキシゲナーゼとリポキシゲナーゼは互いにアラキ酸を材料にしているのです。シクロオキシゲナーゼとリポキシゲナーゼでアラキドン酸という資源を取り合って必要なものを作っているのです。
ここでNSAIDにより、一方のシクロオキシゲナーゼを潰すとリポキシゲナーゼのみ働くことになります。バランスが崩れるんです。リポキシゲナーゼが作り出すロイコトリエンも炎症を助長する働きがあると考えられています。
上記の論文によると
>PGE2(プロスタグランジンE2)の産生を抑制する非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)・・・・・・。
PGE2が,炎症を指揮している細胞(炎症性樹状細胞)を炎症の鎮圧を指揮する細胞(制御性樹状細胞)に変えるという論文ですね。
そこに大変感銘を受けたのです。
非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)を飲む時は注意が必要ではないのかなぁと思い書き込みをさせて頂きました。
お体お大事にしてください。症状が安定して素敵な生活を過ごして生かれることを祈っております。
あとウキの参照,アラキドン酸カスケード参照などを貼り付けました。上記の文も正確でないところが多々あるかと思います。もし不適切であれば削除してください。
>たす9さん
コメントありがとうございます!
しかもかなり詳しい情報も載せて下さりありがとうございます。
たす9さんのコメントのお陰で色々な事が発見できました。
とてもタメになります。
どんな事でも結構ですので、また助言など宜しくお願いいたします。