手術。
できれば避けて通りたい道ではありますが、ここぞという時は覚悟しなくてはいけません。
私も今まで痔瘻の手術を幾度となく受けてきて、その度に「二度と手術は嫌だ!」と思うも経過が悪く、再手術を繰り返してきました。
レミケードで一時期、痔瘻もクローン病も落ち着いてきたかと思ったらだんだん効かなくなってきて、遂に2年前の3月にクローン病の炎症が盲腸に波及し、急性虫垂炎で緊急手術を行いました。
生まれて初めての開腹手術でした。
幸い、私はクローン病を専門とする病院で診断後、クローン病の専門の外科医がいる病院で手術となった為、小腸と大腸を切除したにも関わらずその後の経過も良く、固形の便が出る状態で状態をキープ出来ていました。
その後レミケードからヒュミラにスイッチし、CRPもようやく0.1以下に落ち着き「ふー、やれやれ」と思っていた時に、今年11月に小腸造影検査で小腸に(直径4mmしか無い)強度な狭窄が見つかり「治すには手術しか無い」という宣告をされた状況になっております。
バルーンで拡張という方法もあったのですが、開腹手術をしているため腸の癒着があり、屈曲がひどく内視鏡が届かないらしいです。
で、この結果を踏まえて「手術をして狭窄を取る」か「このまま様子を見る」かの2択を迫られた訳です。
手術の絶対的適応と相対的適応
クローン病の手術には、緊急に手術が必要となる場合(絶対的適応)と、患者さんの状態を考慮し必要に応じて手術が行われる場合(相対的適応)とがあります。
緊急に手術が必要となる場合
- 腸閉塞(腸が狭くなり通過性が阻害された状態)
- 穿孔[腸管に孔(あな)があくこと]
- 大量出血
- 癌の合併
患者さんの状態を考慮して手術が行われる場合
- 難治性の狭窄(腸管の内腔が狭くなる状態)
- 内瘻(腸管同士や腸管と膀胱などがつながること)、外瘻(腸管と皮膚がつながること)
- 薬物治療などの内科的治療が無効の場合
- 肛門周囲膿瘍[肛門の周囲に膿(うみ)がたまること]
- 排膿の多い有痛性痔瘻
で、私の場合は相対的適応に当てはまるという訳です。
ですので、このまま様子を見るのもありなんですが、なんせ腸の直径が4mmしか無いのでどのタイミングで腸閉塞になるか分かりません。
例えば「2mmまでならよほどの事(ゴボウやもやしをバカ食いするなど)が無い限り大丈夫です」とかエビデンスがあればもちろん様子見にするんですが、こればっかりは個人差があるため全く分からないんですね。
で、私はこのままビクビクしながら食事をするのも嫌だし、炎症が起きた時に腸閉塞になりやすい状態も嫌なので「手術をしてQOLを高めたい」と現時点では考えています。
手術をどこで受けるべきか
手術を受けると決めたら次はどこで受けるかです。
私が通っているインフュージョンクリニックでは入院や手術の設備はありませんので、提携している病院での入院・手術となります。
主治医が提案してくれているのは現時点で2箇所あり、それが「兵庫医大」か「阪大」となっています。
どちらもクローン病の専門がある病院のため「お好きな方をどうぞ」って感じなんですが、正直悩んでいます。
ツイッターで情報収集
ツイッターで手術に対して悩んでいると呟いたところ色々情報いただきました。
クローン病の狭窄手術を兵庫医大で受けるべきか、阪大で受けるべきか悩む
。— ケンゴロウ (@kengorou) 2017年12月22日
あとは兵庫医大の羊膜細胞移植か、阪大の胆汁酸治療か、で決めるのも一つの選択肢ですかね。https://t.co/6UemZnaobVhttps://t.co/4me3bPvgx7
— IBD事務局(広島・姫路・UC外科) (@ibd_uc_cd) 2017年12月22日
なるほどー!
確かに実際に手術を受けた方に聞くのが一番早い気がします。
あと、両院とも最先端の研究をしているというのも特徴ですね。
またメッセージでも病院の雰囲気や退院までのプロセスについて情報をいただけました。
ありがとうございます。
手術・病院に対して私が思うこと
私が一番気にしていることは、実際に執刀する外科医師の技量と知識です。
というのも「小腸の狭窄を切除する」だけであれば、どこで手術を受けても同じだと思うのですが、クローン病という特殊な条件下で手術を行う場合、執刀医がクローン病に精通しているかどうかで例えば「病変部分以外」の変化に気がついたり、気になった箇所を詳しく調べたりしてくれるのではないかと思うんです。
つまり普通の外科医では気がつかない、または見落としてしまう所見をクローン病専門の外科医であればカバーしてくれるのではないか。と思っている訳です。
所詮素人の考えなので「そんなもんクローン病の手術してる外科医はちゃんと調べとるわ!」ってお叱り受けそうなのですが、やはり実際に自分の臓器にメスを入れる訳ですので色々と慎重になってしまいます(汗)
ですので、次回の診察時には外科医のクローン病専門度について質問してみてから病院を決めようかなと思っています。
もしこの他にも情報ございましたらツイッターでもブログのコメントでもいいのでメッセージ頂ければ幸いです。
さて今年も残すところあと6日。
無事平穏に過ごせるように気をつけます。
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近いほうでいいんじゃない?
家族が楽。
その症例豊富さでハイレベルな病院であればどっちでもいいと思う。
手術は、決まった瞬間から開き直る。
自分でコントロールできないから。
有名病院でも、手術中にベテランが若い医者に、「おぃ、お前、やってみるか?」
なんて展開かもしれないしね(笑)。
ドンさん
コメントありがとうございます!
確かに近い方がいいですよね(汗)
ただどちらも遠いんですよねー(泣)
まだまだ悩みそうです…。
兵庫医大での手術経験者です。
こちらに2015年度の治療手術実績です。
https://caloo.jp/dpc/disease/1174
先生の執刀技術は判断が難しいですが、
はっきり記録に残っている手術実績には大きな差があります。
(兵庫医大病院:185 阪大病院 25)
数が多ければいろんな病状にも対応しているでしょうから
執刀医が変わったとしても経験値は引き継がれているはず。
よかったら、参考にしてください。
ちなみに、私の手術実績は
1回目:岡山大学 開腹手術で大腸全摘&Jポーチ設置
2回目:兵庫医大 部分麻酔で痔瘻の手術
3回目:兵庫医大 開腹手術 小腸の1/3切除&ストマ設置
3回目の手術してから14年になりますが、
経腸栄養&食事併用で調子はとてもいいです。
調子が悪くて入院することもなく、月に1回薬をもらいに通院するのと
年に1回小腸造影するくらいです。
もし、聞きたいこととかあれば何でも聞いてくださいね。
のぶさん
コメントありがとうございます!
経験者の情報ほどありがたいものはありません!!
入院中の病院側の(看護師や医師)などの対応はどうでしたでしょうか??
兵庫医大は患者数が多い分、一人に対する時間がかけれていないイメージがあるのですがどうなんでしょうか??
どういたしまして。
入院中の対応ですが、病棟の患者に対する看護師や医師の割合は
どの病院も変わりないので、時間は変わらないと思います。
(岡大と兵庫医大で比べてみて)
多くのクローン病やUCの患者を治療しているので
適切な判断が受けられる利点もありますし、心配はいらないですよ。
のぶさん
コメントありがとうございます!
なるほど、どの病院でも患者数と看護師の割合は変わらないんですね。
勉強になります!